教授メッセージ
教授 米田 政志
臨床の現場において消化器症状を訴える患者さんは非常に多く、その診断と治療には高度な臨床能力が必要とされます。我々肝胆膵内科は、後期研修医期間で基本的に必要な腹部超音波検査や上・下部内視鏡検査だけでなく、さらに高度な超音波誘導下肝癌治療や胆膵系の高度な内視鏡検査と治療手技を習得できます。また臨床の問題点に立脚した世界最先端の研究を各分野で行っています。ぜひとも若い先生方にPhysician-Scientistを目指していただいて、未来の日本の医療・医学を切り開いていきたいと思っています。
一緒に頑張りましょう!
苦痛を和らげるため
新しい検査機や治療薬を
教室から世界へ発信!
愛知医科大学病院 肝胆膵内科
教授 米田 政志
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のビタミンE療法とアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬、フィブロスキャン®を用いた肝線維化の非侵襲的評価法を世界に先駆けて発表し、世界各国の診療ガイドラインに採用されている。Scientist-physicianをモットーとして臨床・研究・教育に有機的に取り組む。
- 1983年弘前大学医学部医学科卒業。1989年~1992年カリフォルニア大学ロサンゼルス校(米国)、1993年~1998年旭川医科大学、1998年~2007年獨協医科大学、2007年愛知医科大学。現在は内科学講座(肝胆膵内科)教授、肝胆膵内科部長。主な研究は脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝炎、ウイルス性肝炎、神経ペプチドと消化器生理機能。
- 所属学会:日本内科学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会
教授(兼務) 福沢 嘉孝
肝胆膵内科は肝臓グループと胆膵グループに分類されています。当科には全国的にも著名な学会認定専門医・指導医が多数所属しています。研修医・専修医の先生方は、種々分野を研修・習得し、今後の自身の所属する担当科を選択する訳ですが、内科を選択した際にも必要最小限の消化器的基本手技・診察・診療スキルが日常診療では必須となります。将来的に肝胆膵内科所属希望者、特に専修医の先生方には、肝疾患や胆膵疾患のより高度な専門知識や専門技術を研修・習得することが安心且つ十分に可能です。また、各専門医が日々実施している最新・最先端の世界的研究や技術などに直接的・間接的に携わることも可能です。そのチャンスは、当科的には何時でも身近に存在しているのです。教室内の雰囲気(環境)も非常に良く、是非とも肝胆膵内科の卓越した技術を堪能していただきたいと思います。
教授(特任) 伊藤 清顕
我々の肝胆膵内科では、肝臓グループと胆膵グループの2つのグループで分担して患者さんの診療、学生や研修医、専攻医の教育、そして基礎および臨床研究を行っています。私は、主に肝臓分野の診療と教育、研究に携わっていますが、胆膵分野にも興味があり、両方の症例カンファレンスや研究に関わっています。そもそも、肝臓と胆道(胆管および胆のう)、膵臓は解剖学的、また消化や吸収という機能的な面からもそれぞれが密接に関連しています。ただ、その疾患の特徴は大きく異なっており、肝臓の疾患は慢性肝炎や肝硬変など比較的じっくりと時間をかけて病態や診断を考えて治療方針を立てる症例が多いのに対して、胆膵疾患では急性胆のう炎や急性胆管炎、急性膵炎など急性疾患の比率が高く、すぐに処置や治療が必要となるなど行動力が必要となります。こうした違いも考慮して、当肝胆膵内科では皆さんの性格や希望に合わせて専門の診療分野を決めていただくことができます。肝胆膵の分野には多くの専門分野があり、皆さんの興味を満足させる分野が必ず見つかるでしょう。ウイルス性肝炎をはじめとした感染症分野、脂肪肝や肥満など代謝や栄養に関する分野、自己免疫性肝炎や自己免疫性膵炎などの免疫系分野、腹部エコーを極めるのも良いですし、CTやMRIなどの画像診断を得意にするのも良いと思います。また、肝胆膵内科が扱う悪性腫瘍は膵臓癌や胆道癌、肝臓癌など現在最も治りにくい悪性腫瘍であると考えられています。このような難治性悪性腫瘍に対して、当科では最新の内視鏡検査や内視鏡治療、局所療法や分子標的薬などを駆使して全力で立ち向かっていますが、それでも治療成績は満足できるものではありません。こうした現状を打破するために難治性悪性腫瘍に対して一緒に立ち向かってくれる方も募集しています。
研究に関して話をすると、現在、私は国から研究費をもらってB型肝炎に対する新しい薬の開発に携わっています。これは、胆汁酸という肝臓で産生される物質を創薬のターゲットにしていて、B型肝炎に対してだけでなく、脂肪肝や糖尿病の新しい薬になる可能性があります。新しい薬の開発は、目の前の患者さんだけでなく多くの患者さんを救うことができ、たいへんやりがいがあります。当科では基礎研究や臨床研究を非常に活発に行っており、皆さんには最新の研究方法や技術、知識を習得してもらい一緒に研究することが可能です。希望があればナショナルセンターなどへの国内留学や海外留学も可能です。このように当肝胆膵内科では診療や研究においてやることが山ほどあり、皆さんの実力を精一杯発揮することができます。自分の実力を試したい方、どんどん実力を高めたい方、最新の研究や技術に興味のある方は、是非一度我々の行っている診療、教育、研究を見ていただき、色々なお話をさせていただきたいと思います。当大学からはもちろん全国どこからでも構いませんので、是非一度見学に来てください。
見学希望者や質問等がある方はお問い合わせフォームから御連絡いただけますと幸いです。何なりとお尋ねください。よろしくお願いします。