先輩の声
助教
坂本 和賢
医師11年目
専門分野:肝臓
「ベスト指導医賞」を2年連続でいただきました
伊藤教授はフランクに医局員に話しかけ、相談しやすい空気をつくるだけでなく、講義では聴く人の心をキャッチするのが上手な方です。例えばB型肝炎ウイルスに関連した縄文人や飛鳥人など、興味や関心を引きそうな題材とエピソードと本題を結びつけることで、相手の理解度を深めていきます。こうした伊藤教授の講義スタイルを間近で見ることで多くを学び、「ベスト指導医賞」を2年連続で受賞しました。医学生や研修医に役立っている証の賞だとすれば、とてもうれしいです。
肝臓はどの科とも深く関係するので、指導する側の責任も重大です。将来、どの科に進んだとしても役立つ知識を身につけてほしいので、汎用性のある知識を優先して教えるように心掛けています。限られた時間のなかで、できるだけ多くの情報を伝えたいと思うばかり、つい早口になってしまうのが私の課題です(笑)
臨床と教育の両方にエネルギーを注ぐのは楽ではありません。しかし、医学生や研修医たちにしっかりと知識を身につけてもらうことが病院全体のレベルアップにつながりますし、当科としても、知識を習得した人に仲間入りしてもらえたら大歓迎なので、日々やりがいを感じています。
取材は2024年5月に行いました
助教
北野 礼奈
医師9年目
専門分野:胆膵
手技のバリエーションが豊富で、女性医師も輝ける職場です
研修医のとき、当科を2カ月間ローテートする機会に恵まれ、内視鏡の手技に惹かれて入局しました。胆膵分野は急性期の重篤な状態で搬送されても、内視鏡など内科的処置によって改善するケースがあります。短期間で驚くほど元気になって退院される患者さんを多く見られるのが、この分野の魅力の一つだと思います。
入局してもうすぐ10年、多くの治療を経験させていただいたように思います。しかし内視鏡の世界は日進月歩ですし、手技のバリエーションも豊富ですから、常に勉強しなければなりません。当科には尊敬できる上司、同期、後輩がいるので、良い刺激をもらっています。
最近、内視鏡室が増設されたことで、時間内に処置が終わるようになり、また当番医の体制もしっかりできており、忙しいながらもライフワークバランスがきちんと取れるのもうれしいです。
取材は2024年5月に行いました
専修医
北田 智也
医師3年目
未知の領域が多い肝臓と、じっくり向き合っていきたい
私は慌ただしいのが苦手で、ゆっくりと物事を考えるのが好きな方です。肝臓という分野は、機能障害が出た際、薬剤調整をしながら血液検査などでじっくり原因追究する必要があり、そういった点が自分に合っていると思い、この分野へ進みました。
まだ入局して数カ月ですが「いろいろ考えたい」という私の気持ちを尊重して「どう思う?」と聞いてくださったり、一緒にやろうとしてくださったりする先生が多く、毎日楽しく、わくわくしながら仕事をしています。現在は肝臓グループをローテート中で、肝機能障害、肝臓がん、腹水が溜まっている患者さんの管理をしています。伊藤教授をはじめ上級医の先生は、すばらしい実績を持っているにも関わらずフレンドリーに話しかけてくださるので、上下の隔たりなく気軽に相談することができます。
C型肝炎やB型肝炎は治療法が進んでいるものの、まだまだ分からないことがあります。それらを突き詰め、一つでも明らかにできるような研究をしたいと考えています。まずは周りの先生たちに少しでも追いつけるよう、一日一日、一例一例を大切に学んでいきます。
取材は2024年5月に行いました
准教授(特任)
荒井 潤
医師17年目
専門分野:肝臓
国際的な実績があり、海外からの注目度もとても高い
B型肝炎は、まだウイルスを完全に排除しきれていない「Unmet medical needs(アンメットメディカルニーズ)」の一つです。この疾患に対し、伊藤教授は臨床研究を進めるなか、体内にある胆汁酸のもとになる物質をターゲットに新規化合物でウイルスを排除するという先進的な試みをされています。効果的で、より副作用の少ない新規化合物による治療の実現を目指してAIの専門家や化合物合成の専門家と協力して、創薬に向けて邁進しております。
私が今取り組んでいるのは、肝がん治療の基礎研究です。効果のある多種多様な薬が続々と出ているので、どのタイミングでどの薬を使い、どう組み合わせるかにフォーカスしています。具体的には治療前後の血液をサンプルに取らせていただき、どういう方に効くか個別化医療に向けて研究を進めています。
当科は研究で国際的な実績があり、伊藤教授は国内外で積極的なコラボレーションを進めているので、海外からの注目度もとても高い。私がニューヨークに留学していたときのネットワークなども活かし、肝臓、胆膵、両方から研究成果を世界へ発信する活動を続けていきます。
取材は2024年5月に行いました